普段私たちの生活では、
思考の方を使うことが多いんじゃないかな。
そのため、身体感覚への意識や
サインを見逃したりしがちになるかもね。
身体を感じるってどういうこと?
今日は自分とつながる大事な感覚
内受容感覚と外受容感覚も
みていきたいと思います。
身体感覚ってなに?
セラピーの中で
身体の感覚に意識を向けてもらう
事があるんだけど、
時々、自分の身体が
どう感じているのかわからない
って言う人に出会ったりする。
感覚を完全に分類することはできないけど
内的なものと外的なものがあるよ。
例えば、
外が暑いな
寒くて鳥肌がたつ
ていうのは、外的な情報から
感覚が起こっている。
また、内的な感覚だと
胃が痛い
高熱が出た
なんかが思い当たると思う。
それぞれ人がどのように
どれくらい感じ、知覚するかは
個人差が出てくるね。
それはどういうことかもみていこう。
内受容感覚
オギャーとこの世に生まれて来た赤ちゃん。
外の世界へ出てからの発達は
人や環境の影響も受けて
知覚も発達していく。
生きていくために
お腹すいた、寒いなど
いろんな要求を養育者へ
伝えて応えてもらうことで
自分の中に感覚が育っていくよ。
自分の内側の状態に気づくプロセスを
「内受容感覚」という。
定義としては、
身体の状態を主観的に体験していくのに役立つ、内在性の感覚の知覚である
とされるが未だ統一されていない。
なんだかこ難しいよね。汗
自分の内面で
なにが起きているのかを知るために、
身体を知覚して感じて知るプロセス。
自分自身とつながるシステム
でもあると言われている。
私たちは自分の外にある社会との交流から
自分がどう感じているかを
理解するための参照システム、
枠組みみたいなものを必要とするよ。
それは自分の判断や次の行動へと
繋げていくことに使っていたりする。
それは環境的、社会的文脈の中で
発達していくものでもあるし
日々の体験に影響を受けたりもする。
よって、もし育ってきた環境に一貫性がなく、
正確なフィードバックを貰えず発達したら、
内受容感覚のシステムが
間違った方向へいく可能性がある。
(Bechara, Damasio, and Damasio, 2000)
内受容感覚は、
自分は誰か、
他者との関係性において
自分はどのような人間か。
自分は安全か、そうでないのか、
できごとやそこにいる人間は、
たのしいか、興奮するか、
怖いかなどを判断するための
内的対話を司っている。
(Ceunen, Vlaeyen, and Van Diest 2016 : Bermudez, Marcel, and Eilan, 1995 : Cameron, 2001 : Craig, 2015)
こうやってみてくると
普段あまり意識していない
内受容感覚って、めっちゃ大事やね。汗
外受容感覚は?
外の環境に注意を向けることを促す感覚には
「外受容感覚システム」があるよ。
伝統的に認められてきた外受容感覚システムには、
「五感」視、聴、味、嗅、触ものがある。
発達が順調に進んでいる時は、
感覚が拾ってきた情報は
知覚システムの機能を促すんだって。
また、健全な発達のためには、
適度な刺激とそのフィードバックを
環境から必要とされているよ。
知覚したものを理解するための意味付けには
環境の手助けがいるってこと。
赤ちゃんは養育者とのやりとりになるね。
外受容感覚も分類しきれないので、
五感以外の情報も得て、全体を評価しているよ。
安全かどうかの判断は、認知評価だけでは不十分
健全な身体感覚があることがなぜ大事かって、
安全かそうでないかを判断するときには、
認知(あたま)の判断だけに頼ってはできないから。
個々の環境場面で、
私たちは様々に環境の評価をする。
その参照となる枠組みが過去に養育者や
社会とのやりとりの中で
作ってきた内受容感覚や外受容感覚なら、
知覚的解釈が変わってくるとされるんだよ。
同じ環境であっても、
安全とは感じられず、
警戒しっぱなしの過覚醒状態
にいる人がいたら、過去の安全ではない
状態にいるときに作られた感覚を参照して
世界を評価しているとも考えられる。
健全な発達を妨げるトラウマリスク
子どもの健全な発達を困難にすることに
トラウマ経験がある。
1個でもトラウマ経験があって
周囲からの適切なサポートが得られずに
不健全な発達があると
他者と適切に関わることも
難しくなったりすることがあるよ。
自分が安全かどうかを判断できる枠組みもなく
自分の感覚もわからずに、
どうして他人の状態をだいたいでも
把握できるのだろうか。
内受容感覚、外受容感覚の健全な発達のために
なにが安全でそうでないかを
判断する能力を養うために、
まず「安全」な基盤が必要なんだ。
次に、脅威か安全かを示す合図や
手がかりを学ぶために、
一貫性のあるフィードバックを
提供してくれる社会的グループも必要。
それらを学習する機会が損なわれた場合、
感覚は正確でない情報を伝えることになる。
その結果、過敏に反応しすぎる、
感度が弱すぎるなど様々な
種類の機能障害が生じる。汗
こういった反応は認知的なプロセスから
生まれるものではなく、
神経生理学的なプロセスによって、
意識よりもさらに深いところで
引き起こされているよ。
そしてこれらは幼い頃の体験を通して
時間をかけて発達するんだ。
安全ではなかった経験なら、
新しい経験や環境的刺激も、
自分にとって不快な感覚を与えるものは
全て危険であると解釈してしまう事が起きる。
そうすると、世界はとんでもなく
危険に満ちたジャングルのような
中で生きていくことにもなりかねないね。
なので、いかに健全な環境で育っていくことが
大事なのかがわかると思う。
さいごに
とはいっても大人になっても発達はし続けるので、
時間はかかるかもしれないけど
レジリエンスは育てていけるよ。
内受容感覚や外受容感覚は自力調整が
難しいところがあるので、
セラピストと一緒に進めていくことをお勧めするよ。
自力で本を読みながらとかで
やってみようと思う人で注意が必要なのは、
自分にトラウマ歴の自覚があるなら
感覚はとても過敏だったりすることがあること。
普段他人がそれほど反応しないことでも、
過剰に反応してしまうことがあったりしないかな。
それが嫌だったりで
自分の感覚に気づくことをしなかったり
わからないとして意識を向け無くしたり。
自分にとっては意味があって
防衛を取っていることもあるよね。
例えばでマインドフルネスのエクササイズは
自分の感覚に気づき、
そのあとに注意を向けなおすことをする。
過敏な感覚を持っている人は
具合が悪くなったりすることもあるので、
トレーニングする時は注意が必要だよ。
急に不安が強くなったり、パニックになったりで
具合が悪くなりそうなら
やめて即刻専門家のところに相談しよ!
また、感覚のエクササイズをするなら
自分が心地よいなと感じられる感覚を
見つけてそれとともにいる気づきや発見を
追いかけていくところから
始めるのがおすすめだよ。
急がずゆっくりやっていこうね!
参考文献:レジリエンスを育む キャシー・L・ケイン、ステファン・J・テノール著