全ての人の中にある力、それはリソース。
どれほど弱い人の中にも必ずあります。
リソースにちゃんと気が付いているのか、
リソースをちゃんと使えているのかで、
人生の量と質がすごく変わってきます。
セラピーにおいてもリソース活用は必須アイテムです。
そんな大事なリソースについてお伝えします。
リソースとは?
リソースは普段、馴染みのない言葉かもしれません。
日本語では”資源”や”才能”、”強さ”に相当します。
リソースは成長していく過程で作られていくもので
経験や学びの中から生まれ
私たちの中に蓄積されているのです。
リソースの種類
多くのリソースは
経験からプラス(肯定的)の感情が伴うものが、
リソース候補になります。
例えば、
不登校を克服して乗り越えた
全国サッカー大会で優勝して嬉しかった
営業成績で日本一に選ばれて自信がついた
よく頑張った自分への思いやり
従業員の雇用は守る社長のプライド
入院した時ずっと枕元にあった大好きなぬいぐるみ
いろんなものがリソースとなりうるのです。
以下の分類の例は一部のリソースです。
リソースの分類 | 例 |
今までなしえてきたこと |
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支えになった他者との関係 |
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プラスの感情 |
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プラスになる空想の人物 |
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心地よい行動 |
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シンボルやイメージ |
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人にとって強力なリソースとなるのは、
人と言われています。
支持的な家族、配偶者、師匠、友人は
パワフルなリソースになります。
リソースを使う目的
リソースは自分の中の資源なので、
強みが発揮される時に使うのも良いですが
困難な状況に対処する時には強力な武器になります。
ゲームでいうとプレイヤーが丸腰で
自分より大きな敵に向かうより、
強力な銃を持ったり
助けてくれる仲間がいて一緒に戦う感じです。
セラピーでは、トラウマなどに向き合うときは
必ず沢山リソースを作ってからになります。
そして自分でも使えるようになっていただきます。
自分で調整できる力が弱い時に戦うのは
かなりのチャレンジの力が必要だし、
安心安全とは言えません。
また、しんどい状態をぶり返してしまう
危険性もあります。
リソースと依存の違い
リソースはプラスの感情から得られた体験から生まれるもの
なのです。
「暴飲暴食」や「ギャンブル」
などが自分にとってリソース
というひともいるかもしれません。
自分が管理できないような嗜癖(不健康な習慣)、
は依存でリソースとは言えません。
しかし線引きが難しいものでもあります。
自分のどうしようもない辛いことから
逃れるために快楽(依存)へ走ってしまう事が
結果自分自身を傷つけるようなことになる
ことがあるかもしれません。
それがその人にとって
サバイブするためのツールになるのだったら
リソースになるかもしれません。
といっても悪い影響がたくさん出て
本人でもどうしようもなく困り果てている。
そんな時辛い状態を紛らわすツールを
ヘルシーで影響度の少ないものへの変更や
もっと量や頻度を減らせないか?
他に方法を一緒に探すことはできます。
トラウマやつらいできごとの中にもリソースはある
なんでこんなことが自分に起こるんだ?
というような災難や辛い体験
っておきる事がありますよね。
この出来事さえなければ
私はもっと平安な人生を送れたのに!
その渦中にいる時ってなかなか気づけないのですが
その体験を通して自分の意識付けがどこへ向かうのか?で
辛い出来事もリソースとなります。
例えば、
受けたトラウマ体験からその人なりの意味づけが
あの体験があったから、今の私があるのだ
あの出来事がきっかけで、この仕事に導かれた
と良い意味付けや意識の方向に流れることで
人を変化させるリソースのタネ
になることもあります。
リソースを貯めていく
自分の対処能力を上回るような苦痛や
トラウマからの解放に取り組むには
自分で自分の自我を管理統制できる力や
内にリソースを沢山蓄えておかなければなりません。
トラウマケアに限らず日常でも難しい状況への対処に
自分にとってプラスになるリソースを
日頃からマメに見つけて貯めていきます。
そしてリストにして持ち歩くのもいいでしょう。
それはいつしか「リソースツールボックス」となって
複数のリソースを一度に使えるようになると、
自分自身で安定化を図る力になります。
そのためにも、
常日頃リソースを(見つける)習慣と
(使う)練習が欠かせません。
そして
そういった練習を積み重ねていくうちに、
自分がどういった場面で
ツールボックスからリソースを出してきて
対処しなければならなかったのか?
何がトリガーになったのか?
に気づきを得られるきっかけになります。
また、人によってリソースの捉え方や
役に立つリソースとなる使い方は違います。
うまくリソースを見つけられなかったり
抵抗があったりしてきたときは
セラピストと一緒にまとめてもらいましょう。
リソースの使い勝手や使い心地を微調整して
役立てるものにオーダーメイドしていくのです。
リソースを感じる身体感覚も使う
リソースを作っていく時、
その時に自分の感情や身体感覚が
どんな感じだったのか?
その部位にじっくり浸って
名前をつけて思い出しやすいように
するといいかもしれません。
例えばあるクライエントさんは
「落ち着く時は自分の背中」
に意識を向ける
という方がいました。
なぜかと聞くと、
子供の頃ちょっとした事でよく泣いていたそうで
そんな時背中をさすってもらって
落ち着くことができた記憶をリソースにした。
背中の感じを味わって
ゆっくり本来の自分に戻ってくる感じです。
そんな感じで今まで振り返ってみて
いろんなリソースを身体感覚と共に
味わってリストにしていくのもいいですね。
リソースがもたらすもの
リソースは誰の中にもあるので、
無意識に使っていることも多いです。
自分のリソース探しをする過程で、
物事や出来事の捉え方の変化に気づくこと
もあるでしょう。
自分で困難な状況を対処できた成功事例は
自分への信頼になり
自分は大丈夫!
自分なら対処できる!
という自己認識が育ってきます。
それらは、学校や職場でのパフォーマンスの変化や
良い人間関係、やりたい事が増えてくるなど
おまけがついてきます。
色々実験しながら、リソース探しを日々やっていきましょう。