パーソナリティと環境のバランス

コロナウイルス感染拡大防止のための政府の緊急事態宣言により

外出自粛が大阪ではじまって2ヶ月近くになってきましたね。

 

その影響で突然リモートワークに切り替わった人も多いと思います。

 

わたしは在宅で仕事を始めた当初は、

コミュニケーションがオンラインに限定されたため

ニュアンスを伝えにくいもどかしさがあったりしたので、

不便だなぁって思っていました。

 

しかし時が経つにつれ、今は随分慣れてきました。

そして、在宅勤務の方が快適❤️と思えるように変わりました(笑)

 

前から薄々気がついてはいたのですが、

自分には在宅で仕事する方が向いているのではないのか?

の疑惑の実験をする機会に今回恵まれてよかったー!とも思えます。

 

内向、刺激に弱く、没頭してコツコツするのが得意な傾向が私にはあります。

オフィスで働いているときは、いろんな人がデスクに来られたりで、

中断後の復帰ロスがあったことは否めなかった💦

 

頼られるのはめちゃ嬉しいー☺️ という気持ちが湧きつつも、

しかしひとたびペースが乱れると、

再発進するまでに時間がかかるタイプでもあるのです。

 

その人に合った働く環境って大事だなと思いました。

置かれた場所で花を咲かせましょう♪

というより「最適な場所

ならもっと素敵な花を咲かせられるのではないかな?

 

パーソナリティって?

以前、大学生の方がご紹介で相談に来られました。

 

「自分の事が良く分からないので知りたいです」

 

”素直そうな普通の学生さん”と第一印象はお見受けしましたが、

話しをされていくうちにその方から出てくる内面の世界は

とても奥深く、色んな考えや気持ちが混在していて、

自分の話していることも信用できない

と感じるようになっておられました。

 

人と話すこと、また他人からどう見られているのか?を知ることで

自分がどういう人間なのか?

が見えて来たり整理、形作られたりします。

 

来られた時よりもすっきりとした笑顔で帰っていかれました。

 

パーソナリティは日本語に訳すと、性格、人格、人柄に相当します。

自分をどう解釈しているかで、他人をどう解釈するのかも関わって来ます。

つまり自分自身が持つ評価軸(例えば、好きー嫌い)によって、

物事や他人の捉え方も変わってきますよね。

 

個人のパーソナリティは、心身の健康や幸福感にもつながる

と言うことが、これまでの心理学研究でわかってきています。

 

パーソナリティのタイプ

巷にいろんな性格テストが溢れていますね。

それだけみなさん

自分がどういった人間(のタイプ)なのか?

知りたいのだと思います。

 

 

一昔前1999年ごろに流行った、「動物占い」覚えていますか?

ある程度生きていらっしゃる方はブームになったので、

よくご存じだと思います。

 

生年月日を使う四柱推命の12運勢を

「動物のイメージキャラ」に置き換えた占いでした。

これで自分のキャラを知り、

対人関係や恋愛相手の相性をみたりするものでしたね。

 

占いの結果、私は「オオカミ」のキャラでした。

オオカミのキャラの説明には、次の通り出ていました。

 

他人と同じことをしたり同じものを持っているのが嫌で、

人から「変な人」と思われるのが逆に嬉しくなる・・・

 

Tama
その通り!
John
本当に当ってるの??

他にも色々書いていました。

占いが当たっているかどうかはさておき、キャラに当てはめることで

「あなたはこうです」と言って貰える

手軽な自己や他人理解があったりするのかなと思います。

カウンセリングより人気なのは、占いの方?(笑)

 

それに比べてカウンセリングで自己を探求して

己を知っていく道のりは、

時に長く辛く感じることもあります。

または、新しい自分に出会うワクワク感

みたいなものを感じられるかもしれません。

 

パーソナリティの構成

占いで「こんな人」と出されて決まり!というのは

ちょっと無理があるかもしれませんが、

占い師さんから見たあなたの一側面と捉えるなら

間違っていないかもしれません。

 

というのも、

人は多面的な要素で成り立っている

からです。

 

私たちは友人や学校、職場など、場所や人によって適合するように

色々とパーソナリティを使い分けています。

そもそもパーソナリティの語源はラテン語の

ペルソナ(仮面)

から来ていますからね。

 

例えば、自宅で家族とくつろいでいる自分と、

社会や学校で役割にあった言動をしている自分は同じでない

ことがほとんどですね。

 

この当然のことに疑問を投げかけた、

思春期時代の私は苦しんだ時期がありましたー(笑)

同じにしないといけないと思っていたのです。

そうでないと「誠実ではない」「偽りの自分がいる」

みたいな変に頑固で真っ直ぐなところ?があったのです。

 

パーソナリティ心理学

パーソナリティが心理学として確立されたのは、

1930年代ごろになります。

元々は紀元前とかのギリシャ時代からの

哲学や医学から来ていたりします。

 

例えば身体の体液を基本として4つに分類する

「四体液説」がありました。

痩せ型や筋肉質など、体格で人格を分類するのもありました。

あるいは、「冷たい人」「鈍感な奴」などその人から出てくる

思考や感情、行動の特性から人を分類して見たりもします。

 

よく性格を表すときに使う「内向性ー外向性」はユングが

心的エネルギーが内に向かっているのか、外に向かっているのか

を類型論としてまとめています。

 

心理学の分野でも昔から、人をタイプ別に分けて

その人を捉えようとする試みをしてきたのです。

 

「なんだ、心理学も人をタイプ別に分けて当てはめているだけ!」

と言われそうですが、現代のパーソナリティ研究はより化学的です。

ハーバード大学のリトル教授によると、4つの主要な分野で発展しています。

 

1. 遺伝的要素とパーソナリティの関係
(「遺伝」か「教育」かは古い二分法的考え→パーソナリティは変えられる)

 

2. 環境が個人のパーソナリティに及ぼす影響
(社会的背景や日々経験すること)

 

3. 動機とパーソナリティの関係
(自分にとって大切な何かを達成するためには遺伝を超えて自分を変化できる)

 

4. 「クリエイティビティ」や「柔軟性」など人間のポジティブな側面に注目
(従来は精神病理学に比重があった)

 

 

自分の性格を測ってみる?

パーソナリティー特性を理解する上で、調査用に開発された尺度があります。

タイプで個人を当てはめず、各因子を連続的なものとして捉えています。

5つの因子は、約5割で遺伝的要素が関係しているとわかっています。

また、幸福感や健康、目標達成能力などに強く影響する

ことも明らかになっています。

ビッグファイブ・テスト

(テストの方法)

以下の文章を総合的に見て、

自分にどれだけ当てはまるかを1から7の数字でメモしてください。

1 全く当てはまらない
2 ほぼ当てはまらない
3 どちらかと言えば当てはまらない
4 どちらでもない
5 どちらかというと当てはまる
6 ほぼ当てはまる
7 全く当てはまる

 

私は自分のことを・・・

項目1、活発で、外向的だと思う

項目2、批判的で、もめ事を起こしやすいと思う

項目3、しっかりしていて、自分に厳しいと思う

項目4、心配症で、うろたえやすいと思う

項目5、新しい事が好きで、変わった考えを持つと思う

項目6、無口で、静かだと思う

項目7、同情しやすく、優しい人間だと思う

項目8、だらしなく、うっかりしていると思う

項目9、冷静で、気分が安定していると思う

項目10、独創的ではなく、平凡な人間だと思う

 

集計方法は以下の通り。

誠実性=(項目3の点数+(8ー項目8の点数))÷2

協調性=(項目7の点数+(8ー項目2の点数))÷2

情緒安定性=(項目9の点数+(8ー項目4の点数))÷2

開放性=(項目5の点数+(8ー項目10の点数))÷2

外向性=(項目1の点数+(8ー項目6の点数))÷2

 

(成人の平均スコア)

誠実性=4.61、協調性=4.69、情緒安定性=4.34、

開放性=5.51、外向性=3.98

TIPI(Ten item Personality Inventory) (Gosling, Rentfrow, Swann, 2003)

 

それぞれの因子の特徴としては以下のことがありますが、

結果は慎重に解釈する必要があります。

 

誠実性= スコアが高い人は、「計画性あり、規律正しい、注意深い、賢明」
低い人は、「無秩序、自発的、不注意、軽率」
成功や長寿をもたらすが、変化には弱い

協調性= スコアが高い人は、「いい人、協力的、同情的」
低い人は、「皮肉屋、対立的、意地が悪い」

情緒安定性= 幸福と様々な面で結びついている。低いとネガティヴな事項に敏感に反応

開放性= 新しい考えや人間関係、環境をどの程度受け入れるかを表す

外向性= 人が持つ刺激の感度で人間関係が決まる

 

より詳しい説明は

「自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義 ブライアン・R・リトル」

を読んでみてくださいね。

 

ビッグファイブ・テストを、2016年と2020年にしました。

私は内向性が強いとの自覚はあるのですが、

2回とも協調性がずば抜けて高い結果になりました。

その結果は、組織内でも他のコミュニティでも

長年やっていけているのだと物語っているのかもしれません。

一方、協調性が求められるコミュニティでは有利でも

協調性が高すぎても低すぎてもパフォーマンスに影響があるようなので

協調性を中程度に緩めることを自分に気づかせてくれる結果でもあります。

最後に

ビックファイブの結果で協調性がずば抜けて高い

という話をしましたが、

私はランチや休憩時間は出来る限り人との接触を避けます。

こうすることで、本来の自分に戻りエネルギーを充電できるからです。

 

心理学を学ぶまでは、この考えにはなかなか行きつかなかった・・・(涙)

そして今思うととても見当違いなことですが

みんなと一緒にランチが食べれない自分を責めたりもしたのです。

 

どうしてできないんだ!!

このことを取り上げて、セッションを受けたことがあります。(真面目!)

 

しかし、わたしはわたしに対して最善のことを選択できていたのですね。

 

自分自身への理解が得られるとそれまでのこだわりも

シフトし、変化が起こります。

 

パーソナリティの枠組みは自分や他者を理解するツールは得られるけど、

それと同時にメガネをかけてものをみることにもなりうる

というリスクがあることを知っておくことは大事ですね。