自己調整できるとストレス対処がうまくなる

パニックや不安に圧倒されて困ったこと

ありませんか?

対処法は本やネットなどで情報は得られるけど

色々あってこれさえあれば大丈夫!

が分かりにくいかも。

 

しかしある習慣化で身体に土台ができると

生活の質も向上していきます。

ある習慣化=ソマティックなエクササイズ

についてお伝えします。

 

自己調整とは?

ある習慣化とは、「自己調整」。

「自己調整」聞いたことありますか?

 

外部環境の刺激から

自分の内部で起きる変化に気づき

対処できる覚醒レベルと感情に戻ってこれる能力

のことを言います。

 

「ソマティック・エクスペリエンシング(SE)」を創設した

ピーター・ラヴィーン先生は、

次のように定義されています。

・追跡(トラッキング)の能力で、自己の内面に入って状態を評価する

・自分の引き金を認識し、圧倒されたときに気がつく

 

なぜ自己調整が大事なのか?

自己調整は、

自分の身体の状態を快適にする能力なのです。

身体が快適だと、

外からくる刺激を受けて

その影響が一時的に自分の内部に変化をもたらしても

その変化に気づくことで自分で調整して

回復していくことができます。

 

その調整に使ったりするツールが

自分の中にあるリソース(資源)だったりするので

身体を快適な状態においておかないと

うまく取り出せないのです。

 

自分で回復力を構築していけたら

不快に対処する能力が増し

安定するのでQOL(生活の質)も向上し

対人関係などにも良い影響が出てきます。

 

例えば、パニックや不安で行動が制限

されていたとする。

何かにトリガーされて自分の内部で

安全でないとなって動けなくなる。

 

ってことに気がついて

自分で自己調整できるようになり

対処力がつくとベネフィットが

自分の人生にもたらされるわけです。

 

自己調整能力が低いと自覚がある人は

調整能力を高めていく努力を

やって損はないですよね。

自己調整の能力が低いことで起こること

自己調整は、自分の覚醒レベルと

感覚・感情に対処する能力でもあるので、

自己調整不全は健全な社会交流の妨げ

を招きかねます。

 

ボージェス博士の「ポリヴェーガル理論」で

自律神経系(交感神経と二つの副交感神経系)

と覚醒レベルで説明します。

 

外部からの脅威に対して

交感神経は闘う・逃げる

副交感神経系はフリーズ・社会交流する

という働きをしています。

 

トラウマストレスにトリガーされて

交感神経が振り切れて高止まりで抜け出せないと

”不安、パニック、不眠、過剰な警戒、感情の氾濫、慢性疼痛、消化器系の問題、解離”

 

その反対に、副交感神経系で下げ止まりで抜け出せないと

”うつ病、無気力、失感情、低エネルギー、慢性疲労、消化不良、見当識障害、解離”

 

といった調整不全状態が起こります。

自律神経系が調整可能なレベルにあることで

他人との健全な交流が可能となります。

 

”闘う・逃げる・フリーズ・社会交流”は

防衛システムとして神経系のベースになる

大切な働きなのですが、

トラウマなどの体験があると

何かのきっかけでトリガーされてしまうと

自己調整できなくなることもあります。

 

健全な神経系のアップダウンは

毎日何100回と行っているごく普通のことで、

スムーズに覚醒レベルの安定に移行できて

「自己調整」できているということになります。

協働調整は他人と一緒に調整する

自己調整は自分の中でバランスをとっていくことでしたが、

自分以外の人と調整をとっていくことは

「協働調整」と言います。

 

愛着理論を提唱した、ボウルビィ博士は

養育者は子どもの神経系の外部調整を

担っていると論じました。

生後のある期間、自律神経系や情動に関わる発育は

養育者との協働調整で育てていきます。

 

おむつかえて!といって赤ちゃんが泣くと

養育者が応答してオムツを変えてくれ

不快が取り除かれ快適になる。

 

生まれたての乳児の神経系はまだ未熟で

こんなやり取りを何百回としていくうちに

自分の情動の調整を学んでいき、

発達の段階で徐々に調整していけるようになります。

 

子どもがまだ、感情の覚醒状態を調整する能力を持たないとき、

愛情深く、配慮の細やかな養育者が子供の代わりに

(外側から)調整機能を果たしてくれます(Barach, 1991; Putnam, 1998)

 

自己調整のエクササイズ

エクササイズというと運動するような

イメージかもしれませんが、

日々意識する習慣化を取り入れることで

いい感じに育っていきます。

 

まず、何が起きて自分の覚醒レベルが

跳ね上がったり落ちたりするのか?

に気づくこと。

 

それには、どういったことに

自分は脅威に感じてしまうのか?

安全と感じられないのか?

何が起こっているのか?

 

そして、心拍が上がったり

息が苦しくなったりなど

身体の動きや変化に意識を向けてみる。

 

その感じをどんな風に身体は感じているのか?

その感じがどう変わっていくのか?

それにただ気がつくだけでも、OK。

 

そして、自分の内部の気づきから

そっと外へ意識を向けてみる。

 

さっきまで気がつかなかったもの

があるかもしれない。

外の環境で安心できるものが

見つかるかもしれない。

 

こういったエクササイズを

ストレスが降りかかってきたら

やってみる習慣を身につけてみる。

 

そうすることで、

自分の中で自己調整の能力が高まり

事態に対してそれほど興奮や不安を

感じず対処できている

自分に気がつくと、

とてつもなく自分に対して

自信になってきます。

 

だって、今までパニックや不安で

圧倒されているばかりで

どうにもならなかったのに、

自分で調整して対処し安心を取り戻せる。

それってすごくいいよね?

最後に

人間は社会生活をする生き物ですので、

常に、自己調整と他者との協働調整を

取り入れて生きています。

 

親しい人との協働調整も

外部リソースなので、

うまく取り入れて自分の自己調整の

向上に使っていくのも良いですね。