自分に対して厳しい人の緩め方

あなたは自分に対して厳しい人?

それとも、甘〜い人?

 

飴と鞭は使いよう。

どちらも極端に偏ると何かしら、

不具合が出てきます。

 

今回は、自分に厳しくしすぎてしまう人の、

ゆるめ方をお伝えしていきたいと思います。

 

自分に厳しい人は自覚が乏しい?

カウンセリングの現場でも時々会いますが、

自分に対してとても厳しい方がいらっしゃいます。

 

友人や家族からは、

「あなたはもう十分過ぎるほどにやったよ」

と言われたり、

 

「やりすぎだよ。時々休んだり、

自分の人生を楽しむことにもっと

時間を使えないの?」

 

と言われたりするのですが、

本人にとってはそう言われるほどに

自分は頑張っていない。

 

もっと頑張らねば

と思っていたりして

ますます自分を厳しく駆り立てていきます。

 

どうして自分に厳しくなるの?

厳しくしてしまう背景、

色々考えられそうです。

たとえば、

 

自分に対する要求レベルが高い

高い理想を自分に課すと、

現実と理想とのギャップを埋めるために

必然的に厳しくせざるをえなくなります。

 

自分への無価値感

何をやっても自分は駄目だ!

って思っていたらゆるく甘〜く

いることは自分の存在価値への

脅威になりかねません。

 

そしてもっと厳しく

もっと完璧にならねば

っと駆り立てられていくかもしれません。

 

行動へのトリガーは様々ですが、

恐れや不安などの感情

ぶら下がっていることが多いです。

 

それを感じないように、

あるいは逃れるために

益々厳しくして

何かに没頭するかもしれません。

 

自分に厳しい人の人生は

様々達成してきたことや功績があったりして

優秀な人も多いです。

よりよく自分に生かせれば、

自分の強みだったりリソースとなりえます。

 

しかし、高過ぎる自分への圧(プレッシャー)は

長く続けられるものではありません。

そこに喜びがないからです。

 

自分への圧を緩めず

いつまでも続けているとどうなるか・・・

 

その人の中では慢性的な空虚感

うつ、あるいは身体的な不調として

現れてくるかもしれません。

トラウマが根っこにある場合も

自分がありのままでいることについて

なんら疑問を持たない人は

それほどに自分に厳しくしないかもしれません。

 

自分に厳しくし過ぎる根っこには

愛着トラウマもありそうです。

 

例えば、養育者からは育てる過程で

十分にありのままの自分を愛し

受け入れてもらえず、肯定されずに

育てられてしまうと・・・

 

自分のありのままの姿を愛したり

受け入れたりすることって

難しいことだと思います。

 

自分とのつながりが上手くいかないと

他人に心開いたり、

信頼したり、

といったことは難しくなるのかもしれない。

 

繋がりたいのにつながれず葛藤の中、

ずっと孤独を抱えながら生きていく。

 

それは、言いすぎちゃうの?

 

と思うかもですが、それほどに

自分に対しての厳さを緩めることに

困難がある人にとっては、

自分に厳しくすることが人生の

最優先なので他人との関わりは

後回しになります。

 

恥や羞恥心が根底にある場合もあります。

少しでも優れた自分でないと

他人の前でいられない。

 

どうやってゆるめていけるかな?

その人にとっては、理由があってそうやっているので

無理に緩めようとすると

抵抗が出て来るかもしれません。

 

というか、やっても

すぐに元に戻ってしまいます。

 

なので、ちょっとずつ、

ちょっとずつが基本です。

ダイエットの食事制限のようなもの。

いきなり大好きな「ご飯」の摂取量を

なくせと言われると、

数日はできても長続きしませんよね。

 

方法として、いくつか見ていきます。

 

感情や感覚をノートに書いて吐き出す

自分に厳しくし過ぎるとき、

自律神経の交感神経は

過覚醒状態で活性化が起きています。

 

何にドライブ(駆り立てられて)して

行動につながるのか?

自分の内面を探ってほしい。

 

たとえば、

「完璧に仕事をしなければならない」

をテーマに感覚や感情を探って

ノートに書いてみよう。

 

兄弟より優れた自分でいないと

愛してもらえなかった

(気づき:怒りや不安があったなあ)

100点取れるように猛勉強した

(本当のニーズ)

兄弟より勉強できなくても

そのまま愛して欲しかった

その時の自分のニーズを感じて

ノートに書き留める

感情を出して気持ちが楽になる。

五感を使って感覚を味わってみる

 

ノートに書き留めることで

客観的に眺められ、気づきを得ることで

変化するきっかけと自分への癒し効果

期待できます。

 

マインドフルネス・セルフコンパション

自分や他者に対するコンパッション

(思い遣りの気持ち)を育てていくのは

セルフコンパッション。

 

精神科医Erik van den Brink博士と

ヴィッバーサナ瞑想の指導者でもある

Edits Kosterによって開発されました。

 

コンパッション=慈悲

自分の困難な痛みや苦しみに対して、

大事な友人にかけるように

優しさや気遣いをする。

 

具体的には、優しい呼吸の瞑想

自分へのいたわりのお手紙を書く

などがあります。

 

自分へのいたわりは

自分と仲良くするツールにもなります。

 

時間はかかりますが

自分のニーズをキャッチして叶え、

自分を愛していく

 

自分の幸せについて考えていく筋トレにもなり、

結果緩めていくこともできます。

 

ソマティック(パーツへの寄り添い)

別の記事(優しい人はお好きですか?)でも書いていますが、

自分に対して厳しくすることで得られる理由もある。

そのために色々と働いてくれている

自分の中のパーツがいます。

 

その存在を認めることって大事です。

そして、それぞれのパーツのニーズを

聞いてあげることで、

自分への圧力も幾分、

和らげることができてきます。

 

感覚を大事にしてください。

自分が思う以上に身体からは

繊細なメッセージを私たちに

送り続けてくれています。

 

さいごに

厳しい人が自分を緩めることは、

気づきあってのこと。

案外自分への厳しさは、

自分自身では気づきにくいものです。

 

厳しさを緩める実践は

癖や習慣のところもあって

難しいこともありますが

少しずつ行っていくことで

必ず変化はあります。

 

ハートの筋トレのイメージで

コツコツ取り組んでみる。

 

そして、時々頑張った自分への

ご褒美をあげて労う。

 

お高めのハーゲンダッツアイスクリームとか、

自分が喜ぶものならなんでもいいです。(笑)

楽しみながら自分と関わっていきましょう。

 

自分を幸せにできるのは、

自分しかいません。

 

厳しいところもある自分も愛し

自分で自分を幸せにする練習を

積んでいきましょう。