怒る自分との付き合い方

 

新型コロナウイルス感染防止で在宅勤務や外出が自由にできず、イライラが募っている人もいるかもしれない。

残念なことにDV(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待発生件数が

コロナで外出制限になる前に比べて数倍増えていると聞く。

フランスの児童虐待通報件数は前年同時期に比べて80%以上増加!

怒るとパワーが消耗され疲れる。

怒りたくないけど怒ってしまう人への

セルフコントロールとケアについてお伝えします。

 

怒りとともに5秒いる

最近JRの駅改札のところで、駅員さんに対して大声で罵倒している御老人に遭遇した。

何があったか知らないけれど、脳の血管が切れるのではないかと思えるくらいの怒り方。

通り過ぎる人たちが見ていくが

おじいさんは構わずというか気付かずに駅員さんに怒鳴り散らしている。

 

 

脳の部位で情動の働きを司るのは、大脳辺縁系にある扁桃体の部分と言われている。

一度情動の激しいパワーにハイジャックされると、人は理性を失い自己コントールが難しくなる。

 

さっきのおじいさんも周りがもはや見えないほどに、理性を失っていた。

こうなると、他人の言うことなど聞く耳もてやしなくなる。

頭から冷たい水をバケツ一杯かけて、目を覚ますくらいのことをしないと、

ここへ意識が戻ってこれないくらいの過覚醒状態。

 

もし身内や職場にすぐこういった状態になる人がいたら困る。

でも、本人もどうにもならなくて苦しくて困っているかもしれない。

嵐が過ぎ去った後にまたやってしまった!と後悔しないためにも

怒りを爆発する前にちょっと呼吸を整えることから試してみて欲しい。

 

激しい怒りの爆発の時の自律神経は、交感神経が過剰に活性化している状態。

自律神経系へは呼吸や動き、接触を通してアクセスできる。

息を吸うと交感神経、吐くと副交感神経が活性化されるので、

呼吸を吐く方を意識的に長めにするのが良いとされる。

大きく深く深呼吸。

この時に手のひらをグーパーしながら呼吸するといい。

グーの時にぎゅーーと力を入れて息を胸いっぱいに吸う。

パーの時に手の力をゆっくり抜いて脱力しながら、息を吐く

 

これをゆっくり最低5回は続けて。

できるなら落ち着くまで何回続けてもいい。

呼吸が落ち着いてくるとともにクールダウン。

怒りはそれほどに続かない。

 

怒りを感じている部分に気付く

めっちゃ怒っている時って、

「胸がムカつく!」「むかむかするわ!」って体を使って表現することがある。

頭がギリギリ痛むかもしれない。

背中がこわばって、お腹は石のように硬さを感じるかもしれない。

 

そんなからだの反応に意識を向けてみる。

怒りを感じている時、からだのどの部分がどうなっているのか?に意識を向ける。

「すごく怒っているんだね」って声をかけてあげても良い。

 

感情は無視すればするほどひねくれ、増大してしまう傾向にあるもの。

子どもが怒っている時、「どうしたの?何が欲しいの?」って声かけられると

怒りが柔らぐそんな感じ。

それと同じように、自分にも優しく声をかけてあげて欲しい。

セルフタッチで抱きしめてあげたり、膝や両腕をスリスリさするのもいい。

なぐさめられて怒りより悲しみや安堵などの違った感情が出てくるかもしれない。

 

怒りの身体の部分と向き合ってみると、怒りの本当の意味や本質が見えてくるかもしれない。

自分を守るためだったり、誰かの怒り方にそっくりだったと気づきが出てきたり。

 

 

その怒りはどうにかなるもの?

思い通りにいかない、ままならないのが世の常。

自分の体重でさえも思う通りにコントロールできてない。(これは私だけ?笑)

 

ちょっと落ち着いてきたら、自分に問うて欲しい。

今怒っているのは、何のため?

理不尽にストレス発散するだけの怒りは、自分や周りにいる人を傷つける。

 

もしその怒りの原因が見えてきたら、その状況は自分でどうにかできるもの?

それとも、どうにもならないもの?と問うてみて欲しい。

どうにかなるものならないものを整理分類していく。

 

どうにもならないこととあきらめるのもひとつの戦略。

手放せられることがわかると心にスペースができて、

少し余裕が出て冷静な判断ができるようになるかもしれない。

 

どうにか出来ることは、自己成長のチャンスと取り組んでみる。

怒りは相当なパワーを持つ。

そのパワーをより良いものに向けられないか?も考えてみる。

仕事を一生懸命する、勉強するなんかに使うと相当なエコな使い道。

怒っている時は、徹底的に掃除をするという人もいる。

奥さん喜びますね。家も綺麗になって一石二鳥。

 

終わりに

激怒するその人なりのそれなりの理由があるときもある。

普段あまりセルフケアが足りなくなって、いっぱいいっぱいに日々をすごしていたら、

溜まりに溜まったものがちょっとした些細なきっかけで地雷を踏むと、

爆発してしまう危険性があったりする。

 

そこまで溜め込まないようにしたい。

そして、自分の地雷となるトリガーがなにかも気づけるようになったら、

怒りのセルフコントロールに一歩近づけたと言えるのかも。

 

どうしてもひとりで上手く怒りと付き合えないときは、

セラピーで探求して解放してみましょう。

 

まとめ:

1.  怒りとともに5秒いながら深呼吸

2.  怒りを感じるからだの部分に寄り添う

3.  怒りに気づいて意味を問い、整理する。

手放せるものは手放し、よりよく自己成長のチャンスと取り組む。